15.工藤流ぶどう剪定の基礎理念
剪定とは
さて、漂流記本編でも書きましたが、果樹栽培における「整枝剪定(せいしせんてい)」と呼ばれる枝を切る行為は、”枝を整える整枝“と、”枝を切る剪定”を分けて考えることが重要です。
「整枝」は木が勝手にやること。だから、人は余計なことをしない。
「剪定」は花芽を半分にすること。もし花芽(ぶどうの場合花穂)を人の手で素早く間引くことができるなら剪定は必要ない。でも木が大きくなり枝の量が増えると花芽の量も増えて作業が間に合わなくなるので、その花芽欠きを端折るのが剪定の目的。
このことを基礎として話を進めていきます。
また、慣行栽培で育てられてきた成木を工藤さんの剪定に切り替える方法は以下の理由により割愛します。
- その木の状態により、切り方のパターンがいくつもあり、解説が難しい。
- ぶどうの木で切り替えることを自分で実践したことがない。
なので、ここからは苗木を一から仕立てていく解説です。